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機械仕掛けの偶像と徒花の聖女
機械仕掛けの偶像と徒花の聖女
ผู้แต่ง: 日蔭スミレ

プロローグ 終末を告げる大聖堂の鐘の音

ผู้เขียน: 日蔭スミレ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-03-05 21:15:21

 大聖堂に響き渡る鐘の音は、まるで終りの時を知らせるように寂しい音を響かせていた。

 誰も居ない筈の場所で、いったい誰が鳴らしているかは分からない。

 それはまるで、計り知れぬ悲壮に慟哭しているかのように聞こえてしまった。

 眼下に望む見慣れた錆色の町並みは、まさに終末と呼んで良い程……。

 横殴りの雪が降りしきる中で赤々とした炎の群れが至るところで広がり、崩れた落ちた建物から黒煙が上がっていた。

 そんな終末の大聖堂──頂点へと続く途方もなく長い石造りの階段を茜髪の少女はひたすらに駆け上っていた。その合間も砲弾が撃ち込まれる鈍い音と、尋常ではない振動が襲い来る。

 来た道を振り向けば、石造りの階段はバラバラと崩れ落ち、ぽっかりとした虚ろができていた。

 もう引き返せない。そう思いつつも、彼女は前を向き再び階段を駆け上る。

 窓の外に見える、屋根の上に佇むものは教会の雨樋〝ガーゴイル〟を彷彿させる姿の怪鳥だった。

 しかしそれは、鉄錆びた色合いの機械仕掛け。極めて人工的な姿をしていた。

 ……彼女自身も認めたくない事実ではあるが、これが彼女の愛した青年の成れの果てだった。

 ──ケルン。

 少女は身を焦がす程に恋した青年の名を呟き、溢れ落ちた涙を拭って再び階段を駆け上る。

 実を結ぶ花の名を持つ癖に、何をしても結果を出せず、努力さえ実を結ばず恩さえ仇で返す。よって〝徒花〟と、不名誉にも呼ばれた日々の事。彼と過ごした半年ばかりの短くも幸せ過ぎた日々の事。そして、忘却の彼方にあった断片的な記憶の数々。

 茜髪の少女、キルシュ・ヴィーゼは一つ一つを思い返した。

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  • 機械仕掛けの偶像と徒花の聖女   57話 伯爵家の影

     暫くしてもキルシュは何も答えられないままだった。 静謐の中で、シュネが啜り泣く声だけが響き渡る。  だが、シュネ立場で考えれば理解できる。 もし、同じ状況下に置かれたとなれば、自分だって同じ事をするだろう。そもそも彼女を責めるのは筋違いだ。 義兄の婚約者と隠していた事においても、彼女が捕縛された事においても、何一つ彼女を責める部分などない。〝隠していた〟だけで、彼女は何一つ悪い事なんてしていない。寧ろ、義兄の毒牙にかかった犠牲者に違わないだろう。(能有り能無しを抜きにしても、女を何だと思っているの……同じ人間に変わりないのに) ボロボロになった彼女の姿を見るだけで、酷く心が軋む。 それでも、先程聞いた言葉の意味を、どうしても確かめずにはいられなかった。キルシュは鉄格子の向こうで肩を震わせるシュネに、そっと声をかける。 「ねぇ、シュネさん。さっき言っていた《蝕》って何……?」 キルシュの問いかけにシュネは、顔を伏せたまま、膝に落とした手をぎゅっと握りしめた。 その指がかすかに震えているのを、キルシュは見逃さなかった。 「……能有りを人間とさえみなさない、国境過激派諸派よ。歴史の中で何度も能有りの虐殺を行ってきた」  ──それが《蝕》。イグナーツ様は……違う。ヴィーゼ伯爵家そのものが代々信心の深い信徒だった。 その言葉を聞いた瞬間、キルシュの中で何かが外れた。 まるで心の奥に、閉じられていた扉が、ひとつ、音を立てて開いた心地がした。  脳裏で火の粉が舞う──刺すような冷たい空気の中で燃え盛る炎の熱さ。建物を燃やす轟音と子どもたちの悲鳴や泣き声。そして、血まみれで地面に突っ伏せた伏せた大好きな親友。 ボーン、ボーン……と低く響く柱時計の鐘の音が耳の奥で響き渡る。 身体の自由を奪われた上、目隠しをされて呪詛のような言葉の羅列……。

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     遠くでシュネの呼ぶ声が聞こえて、キルシュは瞼を動かした。 確か、消息を絶ったシュネを探しにレルヒェの街に降りて……伯爵家に帰って。その一連を思い出した途端、キルシュははっと瞼を開けた。 (シュネさん……!)  しかし随分と埃臭い。横たわっていた場所は、煤けた簡素な寝台の上──キルシュは体を起こし上げてすぐだった。「キルシュちゃん! ここよ!」  シュネの声はやはり幻聴ではなかった。キルシュが急ぎ、声の方を向くが絶句した。目の前には鉄格子。向かいの房にシュネがいた。 しかし、黒衣のドレスの胸元は破れ、髪の毛は随分と乱れていていた。頬を撲たれたのか腫れている。それに彼女の瞳は赤々と充血し、溺れるように潤っていて……。  まるで──〝乱暴でもされた〟ようだった。彼女の姿を見てキルシュは青くなるが、すぐさま、彼女に近付こうと鉄格子に寄って、初めて違和に気付いた。 キルシュの両手には手かせが嵌められていた。 その手の甲に浮かぶ「能有りの証」である紋様は、赤い塗料でべっとりと上書きされている。 ──火輪に似た形。その周囲を囲う歯車、機械仕掛けの羽根、そして栄光を象徴する光。それはまるで、ケルンの紋様に、国教の全てをなぞったかのような、奇妙な印だった。「……何、これ」 ぞっとして、キルシュは訝しげにそれを見つめる。 だが不思議な事に、力が湧いてこない。こんな状況なら、蔓草が勝手に現れてもおかしくないはずなのに。(もしかして……権能を無効化して、《心》を遮断している?) 屋敷に戻ってからの記憶は曖昧で、ユーリに会った後、何が起きたのかすら掴めなかった。 ただひとつ、シュネが生きていた事だけが確かな救いだった。 向かいの牢の彼女に、キルシュは声をかける。「シュネさん……無事でよかった。大きな怪我はしていませんか?」

  • 機械仕掛けの偶像と徒花の聖女   55話 〝おかえり〟と言ってほしかった

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